社会人であれば、誰しも一度は「仕事を辞めたい」と思った経験があるのではないでしょうか。
生活するなかで仕事が占める割合は大きいもの。向いていないと感じる仕事に就いてしまったり職場の人間関係にストレスを感じたりすれば、退職や転職が頭をよぎってしまうのも無理はありません。
そうは言っても、会社を辞めるとなると生活が一変します。いざ辞めるとなると躊躇したり上司に言いだせなかったりして、結局辛い気持ちを抱えながら働き続けている方も多いでしょう。
なかには「本当に会社を辞めていいのか分からない」と思い悩んでいる方もいるかもしれません。
そこでこの記事では、仕事を辞めたいと感じる原因と対処法を紹介していきます。会社を辞めるか迷ったときに考えてみるべきことややってはいけないNG行動、さらに退職場合の基本的な流れについても解説します。
仕事を辞めたいと悩んでいる方は、ぜひ最後まで読んで問題解決のヒントを見つけてみてください。
労働条件、仕事内容…自分では解決できないことに不満を抱く人は多い
退職や転職を考える理由は人それぞれですが、特に「自分では解決が難しい問題」に対して不満を抱く人が多いようです。
【離職理由の割合】
- 労働条件(賃金以外)がよくなかったから…28.2%
- 満足のいく仕事内容でなかったから…26.0%
- 賃金が低かったから…23.8%
さらに、このデータを20代後半から50代前半まで年齢階級別に分け、特に多い割合を占めた理由を整理すると、以下のような結果となります。
【年齢階級別 割合】
25~29歳 | ・満足のいく仕事内容でなかったから(31.4%) ・賃金が低かったから(31.3%) ・会社の将来に不安を感じたから(25.4%) |
---|---|
30~34歳 | ・労働条件(賃金以外)がよくなかったから(36.7%) ・賃金が低かったから(25.5%) ・会社の将来に不安を感じたから(25.1%) |
35~39歳 | ・会社の将来に不安を感じたから(29.1%) ・労働条件(賃金以外)がよくなかったから(25.9%) ・満足のいく仕事内容でなかったから(25.0%) |
40~44歳 | ・労働条件(賃金以外)がよくなかったから(29.1%) ・満足のいく仕事内容でなかったから(29.1%) ・会社の将来に不安を感じたから(23.3%) |
45~49歳 | ・労働条件(賃金以外)がよくなかったから(29.2%) ・賃金が低かったから(26.1%) ・能力・実績が正当に評価されないから(24.2%) |
50~54歳 | ・人間関係がうまくいかなかったから(31.9%) ・賃金が低かったから(26.6%) ・労働条件(賃金以外)がよくなかったから(26.3%) |
20代後半の若手社会人において目立つのは、仕事内容や給料への不満です。
初めての就職で仕事に対して抱いていたイメージのギャップや思うようにキャリアアップやスキルアップができない不満から退職を決めていると考えられるでしょう。
一方、30代・40代・50代に注目すると、特に賃金以外の労働条件への不満から退職・転職に至る人の割合がぐっと増えています。
30代以降は家庭を持つ人も増え、ライフステージも変化しやすい時期です。仕事内容だけでなく、より働きやすい環境を求めて転職に踏み切る人が多いことが推測できます。
仕事を辞めたい!仕事が辛い!よくある7つの理由を解説
「仕事を辞めたい」「会社を辞めたい」という気持ちでいっぱいになってしまったときに、「甘えなのでは」「自分が弱いせい」と自分自身を責める方もいるでしょう。
しかし、そんなときこそ一度立ち止まることが大切です。自分の本音に耳を傾けて辞めたいと思う原因を紐解いてみると、問題解決のためのヒントも見つけやすくなります。
まずは、よくある退職・転職の理由を7つに分けて紹介していくので、自分の状況や心情に当てはまるものがあるか確認してみてください。
理由1.給与が低い・給与が上がりにくい
仕事や会社を辞めたくなる理由として多いのが、給与に対する不満です。
「ハードな仕事のわりに給料が安い」「どんなに成果を上げても給与が変わらない」など、業務の成果として支払われるべき対価が十分でないと感じれば、仕事のモチベーションは低下します。
また、「何年働いても給料が上がらない」「昇給制度があいまいで給料アップが目指しにくい」というように、将来や人生設計を考えた際の大きな懸念点となれば、退職や転職を考えてしまうのも仕方のないことと言えるでしょう。
大手の求人情報・求人サイト「doda」による「転職理由ランキング2021」においても、転職理由の第1位が「給与が低い・昇給が見込めない」が35.0%ともっとも多い理由となっています。
【転職理由「給与が低い・昇給が見込めない」の割合】
総合 | 35.0% |
---|---|
20代 | 40.5% |
30代 | 34.6% |
40代 | 34.3% |
理由2.人間関係が良くない
「上司が怖い」「同世代の人が居なくて孤立している」「職場に派閥があってコミュニケーションがとりづらい」など、職場の人間関係を理由に退職や転職に至るケースも多いです。
職場にはいろいろな人がいて、なかには合わない人や苦手な人もいるでしょう。そうは言っても、仕事で関わる人を選べないのが現実です。
特に、業務を進めるうえで関わらなければならない相手と良好な関係が築けなければ、仕事に支障が出るだけでなく精神的なストレスにもなってしまいます。
実際に、厚生労働省が行った「令和3年雇用動向調査」結果でも、職場の人間関係が原因を理由に退職した人の割合は男女ともに高い割合となっています。
【転職入職者が前職を辞めた個人的理由とその割合】
男性 | ・職場の人間関係が好ましくなかった(8.1%) ・労働時間、休日等の労働条件が悪かった(8.0%) ・給料等収入が少なかった(7.7%) |
---|---|
女性 | ・労働時間、休日等の労働条件が悪かった(10.1%) ・職場の人間関係が好ましくなかった(9.6%) ・給料等収入が少なかった(7.1%) |
※「個人的理由」のうち「その他の個人的理由」を除いて紹介しています。
理由3.労働条件が悪い
労働時間の長さや業務の過酷さなど、労働条件の悪さも仕事を辞めたいと感じる大きな理由になります。
「毎日のように残業している」「人手不足で休憩も取れない」「パートなのに正社員並みの仕事を割り当てられる」といった状態が続くと、不満だけでなく心身の疲労もどんどん溜まってしまいます。
疲れた体を休める時間やプライベートを楽しむ余裕がなくなれば、仕事への意欲だけでなく働く目的も見失ってしまうでしょう。
理由4.仕事が面白くない・「向いていない」と感じる
特に、新卒や20代前半など若手社会人に多いのが、仕事内容に対する不満から会社を辞めたくなってしまうケースです。
日々、取り組まなければならない業務に対して「つまらない」「興味が持てない」「やりがいがない」と感じてしまうと、仕事へのモチベーションを維持するのは難しいでしょう。
また、今の仕事が向いていないと感じることも仕事への意欲が低下してしまう原因になります。
得意な仕事であれば自分の能力を活かして働けるので、楽しさややりがいも感じやすいです。しかし、苦手なことを仕事としてしなければならない状況は、精神的に大きなストレスになります。
自分に自信が持てずに「仕事ができないから辞めたい」「仕事をするのが辛い」と思ってしまうのも無理はありません。
理由5.他にやりたい仕事がある
今の仕事とは別にやりたい仕事がある場合も、退職や転職を考える大きなきっかけになります。
年齢・状況や会社の規模にもよりますが、今の会社で経験できる業務内容に限界を感じれば、新たな環境へと飛び込みたくなるのも当然です。
特に、担当している業務とやりたい仕事との間に共通点や関連性がなければ、「この会社で働き続けても意味がない」「早く転職したほうが良いのでは」と考えてしまうのも仕方のないことと言えるでしょう。
【理由別】仕事を辞めたいと思った時に試してみてほしい対処法
仕事を辞めたいと思う原因が分かっているなら、今できる対処法から試してみませんか。
退職や転職にはリスクもあるので、まずは状況を改善するために小さなことからでも行動してみることをおすすめします。
人間関係で悩んでいる場合の対処法
【対処法】
- 上司に相談してチーム替えや異動の交渉をする
- 仕事上の付き合いと割り切る
人間関係の悩みから仕事を辞めたくなっているときは、ひとりで悩まずに信頼できる人に相談してみましょう。正直な気持ちを誰かに聞いてもらうだけでも気持ちがふっと軽くなります。
家族や友人でも良いですが、問題解決のためには上司に相談するのがおすすめです。
チーム替えや部署異動など対応してもらうことで、悩みの種となっている社員と離れられる可能性があります。
社内に相談窓口がある場合は、そちらを利用しても良いでしょう。
自分自身の考え方を変えるのもひとつの方法です。
「仕事上の付き合い」と割り切って、仕事に必要なやりとり以外はなるべく距離を置くようにすれば、精神的にも楽になります。
人間関係の悩みが深刻な場合、精神的なストレスが大きい場合など、状況によっては転職を検討したほうが良いケースもあります。
特にパワハラ、モラハラ、セクハラなどのハラスメントの問題を解決するには時間も労力も要します。
問題解決の前に心身の不調を招いてしまう恐れもあるので、「辞めた方が良い職場」と考えて、身を守るためにもなるべく早く離れたほうが良いでしょう。
労働時間が長すぎる場合の対処法
【対処法】
- 仕事のやり方を見直してみる
- 上司に業務の振り分けについて相談する
「仕事が終わらなくてしょっちゅう残業している」という場合は、まず自分自身の仕事のやり方を見直してみましょう。
「特に時間がかかる仕事は何か」「習慣になっているけどやらなくて良い仕事はないか」など、業務を洗い出して整理してみることで業務の効率化が図れます。
完璧を求めすぎたり時間を決めずに仕事に取り掛かっていたりして、その結果「仕事が終わらない」という状態に陥っている人もいるので、仕事の取り組み方も振り返ってみましょう。
仕事が早い同僚や同期にコツを聞いてみるのも有効な手段です。
また、単純に業務量自体が多すぎて自分のキャパシティを超えてしまっているときは、上司に相談して業務量を調整してもらう必要があります。
「申し訳ない」という気持ちになるかもしれませんが、他の社員に業務を割り振ってもらうことでひとつひとつの仕事の精度も上がります。ミスが少なくなれば、職場全体の仕事の質も向上するでしょう。
もちろん、自分自身で同僚やチームのメンバーに手伝いをお願いするのもひとつの方法です。
負担が大きいと感じたときは、周囲に助けを求めることも円滑な業務遂行のためには大切なことです。
仕事がつまらない場合の対処法
【対処法】
- 社内で仕事内容を変える方法を検討する
- 新しいプロジェクトや外部の勉強会に参加してみる
今の仕事に興味が持てなかったりやりがいを感じられなかったりするときは、会社を辞める前に社内で仕事内容を変える方法がないか検討してみてください。
例えば、同じ営業でも相手が個人と法人とでは営業方法がまったく異なります。また、新規開拓が苦手でも、既に顧客となっている人のフォローが得意という人もいます。
会社の規模や職場の状況などによるので、必ずしも対応可能な方法とは言えませんが、「退職」という手段を択ばずに環境を変える方法があるなら試してみて損はないでしょう。
部署異動やチーム替えなど、環境を変えられそうな余地があるならぜひ上司に交渉してみましょう。
それらの対応が難しい場合は、「社内の新規プロジェクトに参加する」「業界のセミナー・勉強会に出席する」など新しい行動を起こしてみてはいかがでしょうか。
社内外問わず、これまで接点のなかった同業者とコミュニケーションをとることで、発見や気づきが得られます。仕事の視野を広げることができれば、日々の仕事の価値も再確認できるかもしれません。
給料に不満がある場合の対処法
【対処法】
- 業界の平均給料を調べる
- 社内の評価基準を確認する・目標を立てる
給料が低いことが原因で会社を辞めたいと思っているなら、まず自分の給与額が適正かどうか、世の中の水準と照らし合わせて調べてみましょう。
同業他社の給与額は転職サイトや「会社四季報」で調べることができます。
また、転職エージェントに登録して転職のプロに判断してもらうという方法もあります。
そのうえで社内の評価基準を改めて確認します。パフォーマンスや成果によって昇給が可能なら、「いつまでにどんな結果を出せば良いか」を考えて目標達成のために取り組みましょう。
昇給に有利になる資格や必要なスキルなどを上司や人事部に相談してみるのもおすすめです。
具体的なアドバイスを受けることで目標が明確になります。
他にやりたいことがある場合の対処法
【対処法】
- 希望の仕事について詳しく調べる
- 実現するために必要な資格・スキルを調べる
「今の会社にいてはやりたいことが実現できない」という場合、一刻も早く転職したいと思うかもしれません。
たしかに転職は有効な選択肢です。しかし、憧れだけで転職した結果、ミスマッチやギャップを感じて後悔するケースもあるので注意が必要です。
まずは、希望している業界・職種について詳しく調べましょう。
仕事内容はもちろん、給与の相場やキャリアの積み方など、できるだけ多くの情報を集めることで具体的にイメージできるようになります。
そのうえで、必要な資格や有利になるスキルについても確認しておきましょう。
資格によっては難易度が高かったり試験日が限られていたりと、取得までに時間がかかるケースもあるので、事前に調べておくことは転職プランを立てるうえでも重要です。
やりたい仕事に就くためにも、「実現のためにどんな準備が必要か」「今できることは何か」を明確にしてできることから行動してみましょう。
仕事を辞めるかどうかの判断基準!退職前に考えるべき3つのポイント
会社を辞めたいと思う反面、「本当に辞めていいのか分からない」「辞めてしまって後悔しないか不安…」と悩む人も多いでしょう。
そんなときは、自分自身の考えを紙に書き出してみてください。頭のなかでもやもやしていることもアウトプットすると、今の職場に留まるか、転職するかの判断もしやすくなるはずです。
ここでは、辞めるかどうか判断する際に役立つ考え方のポイントを3つ紹介します。
ポイント1.辞めたいと思った理由を明確にする
まずは、「会社を辞めたい」と感じた理由を整理していきましょう。
仕事をするなかで不満に感じていること、退職を考え始めた理由など何でも構いません。
以下のように、思いつく限り具体的に書き出してみましょう。
【例】
- 年収には満足しているが、仕事がハードで長く続ける自信がない
- 営業職自体は好きだが、商品力がなく自信を持って営業できない
- 会社や仕事に不満はないが、職場の人間関係に悩んでいる
仕事に積極的になれない理由は、そのまま「退職理由」になります。
転職先を探す際の重要な条件にもなってくるので、この時点でしっかり言語化しておきましょう。
ポイント2.我慢できることとできないことに分ける
仕事を辞めたいと思った理由を書き出したら、次はそれらを「我慢できること」「我慢できないこと」に分けてみてください。
その際、参考として周囲の人に話を聞いてみるのも良いでしょう。
例えば、自分では「忙しい」と業務量に不満を持っていたとしても、他社で働く友人や他部署の同期の状況と比較してみると、「意外と我慢できないほどの問題ではなかった」「解決の方法が見つかりそう」と気づきが得られる可能性があります。
冷静さや客観性を取り戻す方法として、周囲の人の意見を聞くことは有効な手段です。
ポイント3.自分で解決できることとできないことに分ける
さらに、仕事や会社に対する不満について、「自分で解決できること」「自分での解決が難しいこと」に分けましょう。
例えば、業務量の調整は同僚やチームのメンバーに手伝ってもらうなど、周囲に協力を求めることで改善する可能性があります。
しかし、「ハラスメントが横行している」「待遇の改善が見込めない」という不満は、社員ひとりで問題解決するのは困難と言えます。
辞めるかどうか迷っていても「問題解決の余地がない」と分かれば、転職へ踏み切る大きなきっかけになるでしょう。
いくら辞めたくてもやってはいけないこともある!3つのNG行動
辞めたい気持ちを抱えながら毎日働き続けるのは辛いことなので、自分でも思ってもみない行動をとってしまうことがあるかもしれません。
しかし、いくら仕事を辞めたくてもやってはいけない行動があります。
後悔しないためにも、注意点として知っておきましょう。
NG行動1.無理をして働き続ける
辞めたいと思い悩んでしまうほど辛い状態に陥っているなら、無理や我慢を重ねる行動は避けたほうが無難です。
心身への過度なストレスがかかり続けた結果、身体的・精神的に不調をきたしてしまうケースは少なくありません。
場合によっては、うつ病などの病気にもつながる恐れがあるので注意が必要です。
うつ病は、気分障害の一つです。一日中気分が落ち込んでいる、何をしても楽しめないといった精神症状とともに、眠れない、食欲がない、疲れやすいといった身体症状が現れ、日常生活に大きな支障が生じている場合、うつ病の可能性があります。
引用元:厚生労働省 みんなのメンタルヘルス 総合サイト
「しっかり眠っても疲れが取れない」「ちょっとしたことでイライラしたり涙が出たりする」など心身の調子が良くなかったり異常を感じたりしたら、有給休暇を取得するなどして仕事を休みましょう。
症状が深刻な場合は、医療機関を受診する、休職をするなど対処しましょう。
以下に、厚生労働省による働く人メンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」でできるストレスチェック法を2種類紹介します。自分自身のストレス状態を知るための参考にしてください。
・働く人の疲労蓄積度セルフチェック(働く人用)
・5分でできる職場のストレスセルフチェック
NG行動2.勢いで退職してしまう
仕事を辞めたいという気持ちがある日突然、限界に達してしまうこともあるでしょう。
しかし、衝動的に退職するのは危険です。
勢いで仕事を辞めて一時的にすっきりした気持ちになるかもしれませんが、無職では収入がありません。金銭的に困ってしまい、「どこでもいいから内定が欲しい」「とにかく生活費を捻出しなければ」という焦りから自分には合わない職場を選んでしまう可能性があります。
また、転職の目的があいまいなままだと転職先を選ぶ基準がないので、通常よりも転職活動が長引いてしまうかもしれません。
さらに、急な退職に対してマイナスイメージを持つ採用担当者もいます。
転職をするとなった場合に不利にならないよう、慎重に行動していきましょう。
NG行動3.無断欠勤をする
いくら仕事に行きたくなくても無断欠勤は絶対にしないでください。
会社を辞める辞めない以前に、無断欠勤は社会人としてのNG行為です。
本来、出勤しているはずの社員がいなければ、社内の業務に支障が出る恐れがあります。職場の人はもちろん、場合によっては取引先や社外の人へ迷惑をかけてしまうかもしれません。
また、無断欠勤がきっかけで良好だった職場の人間関係が上手くいかなくなることもあるでしょう。
職場の人にマイナスの印象を抱かれたり信用を失ってしまったりすれば、職場にも居づらくなってしまいます。
出勤や欠勤に関する連絡は社会人として守るべき当然のルールとして捉えて、休みたいときは必ず連絡を入れるようにしてください。
今の職場をスムーズに辞めたい!円満退社のための5つのコツ
退職の際、「円満に退社できなくても構わない」「結局辞めるならどう思われても気にしない」と考える人もいるでしょう。
しかし、今の職場を良い印象を保ったまま退社できれば、後ろめたさを感じずに清々しい気持ちで新しい環境へ移れます。縁はどのようなところでつながるのか分からないので、投げやりにならずにスムーズな退職を目指しましょう。
円満退社のコツを紹介するので、ぜひ参考にしてください。
コツ1,就業規則に則って退職手続きを進める
トラブルを回避しスムーズに退職するには、就業規則の確認作業が欠かせません。
就業規則では、以下のような退職に関するルールが定められています。
【就業規則で確認するべきこと】
- 退職申し出の期限
- 退職届の書式
- 退職金の規定
確認を怠った場合、「手続きが間に合わず希望日に退職ができない」「必要な書類に抜けが合ってスムーズに手続きが進まない」などのトラブルにつながる恐れがあります。
円滑に退職手順を進めていくためにも、自分が所属してきた企業のルールを必ず確認しておきましょう。
コツ2.退職の意思は直属の上司に最初に伝える
仕事を辞めると決めたら、まず直属の上司に報告してください。
「上司が怖いから先に人事部に話したい」「職場が人手不足で退職するなんて言えない」と思う人もいるかもしれませんが、上司は部下のマネジメントを担っている存在です。同僚から漏れ伝わったり先に人事部が把握していたりしては、退職の話がこじれてしまう可能性があります。
また、直属の上司を飛ばしてその上の立場の人に報告してしまうのも厳禁です。
本来、既に把握しているべき上司が部下の退職について知らないと分かれば、上司の管理能力が疑われてしまいます。上司の評価を落とすようなことになっては円満退社も困難になるでしょう。
コツ3.退職の理由は角が立たない言い方で伝える
退職を申し出た際に、上司から退職理由を聞かれることも多いです。
もちろん、嘘をつくのは禁物ですが、ネガティブな理由をそのまま伝えてしまうのも避けてください。
給与への不満や人間関係についての文句などを話せば、上司も不快な気持ちになるでしょう。上司にマイナスの印象を与えてしまうと、退職までの仕事がしづらくなってしまいます。
退職理由の伝え方としては、以下のようにできるだけポジティブな表現で伝えるのがポイントです。
【退職理由の伝え方】
- 「○○の分野に興味がありチャレンジがしたい」
- 「この会社で学んだことを活かして〇〇職に挑戦したい」
- 「〇〇のスキルを高めるためにより専門的な業界に飛び込んでみたい」
建前を上手に使いながら、円満に辞められるよう伝えるよう意識しましょう。
コツ4.退職の意思を強く持つ
退職の意思を伝えた後に上司から引き止められることもあります。
しかし、基本的には応じないほうが良いでしょう。
会社を辞めると伝えている以上、一度退職を見送っても「また辞めると言い出すのではないか」と懸念を抱かれる可能性があります。
上司から引き止めに合っても、現職では実現が難しいことや3年後・5年後に確立していたキャリアプランを説明するなどして、誠心誠意、退職の意思を伝えましょう。
コツ5.有給休暇は計画的に取得する
有給休暇が残っている場合は、計画的に消化していきましょう。
引き継ぎを後回しにして有給休暇を取得したり業務に支障が出る頻度で休んだりすると、周囲の人に迷惑をかけてしまいます。
引き継ぎや退職の挨拶など、退職に向けて必要なことはたくさん出てきます。
有給を取るときは自分の都合だけを考えず、上司や後任者と相談しながら取得するようにすると良いでしょう。
仕事の辞め方とは?一般的な退職の流れを手順ごとに解説
退職日を迎えるまでにやるべきことはたくさんあります。スムーズに進めるためにも、退職に向けて具体的に行動する前に一般的な流れを理解しておきましょう。
手順1.直属の上司に退職の意思を伝える
退職を決断したら、まずは直属の上司に退職の意思を伝えましょう。
以下は、退職を申し出る際の注意点です。
【上司に退職を申し出る際の注意点】
- 事前に上司にアポを取っておく
- 上司の都合がつきやすい曜日や時間帯を選ぶ
- 会議室を予約しておく
退職に関する話は、直属の上司と一対一でするようにします。
可能であれば、共有スケジュールで上司の予定を確認して都合がつきやすい日時を提案すると、主体的かつスピーディーに話が進められます。
また、あらかじめ会議室を予約しておけば、他の社員に話を聞かれる心配がありません。
万が一、退職の話題が他の社員に知られてしまった場合、噂話で広がってしまう恐れがあります。
手順2.退職届を提出する
直属の上司と相談して退職日を確定したら、所属している会社の就業規則に則って「退職届」を作成・提出します。
退職届とは、退職することが確定したのち、退職を会社に対して届け出るための書類のことです。※会社規定の退職届がある場合や、上司ではなく人事部宛てに出す場合など、会社ごとに書類や提出先が異なりますので、直属の上司に確認しましょう。
引用元:『doda』 退職願・退職届の正しい書き方や出すタイミング(社労士監修)
手順3.業務の引き継ぎをする
退職日が決まったら、後任者に業務の引き継ぎを行います。
円満退社のためには、計画的かつ余裕を持って引き継ぎを行うことが大切です。
以下のポイントを押さえて、スムーズに引き継ぎが進められるようにしましょう。
【引き継ぎのポイント】
- 退職3日前までに引き継ぎが完了するようスケジュールを組む
- 業務に関するマニュアルを作成しておく
- 社内外で関わる人に後任者を紹介しておく
引き継ぎは、単に業務の内容を伝えて終わりではありません。
手順4.お世話になった人たちへ退職の挨拶をする
退職が決定したら、社内外でお世話になった人たちへの挨拶回りを行いましょう。
新卒で入社して一緒に頑張ってきた同期や丁寧に指導してくれた当時の上司・先輩など、特にお世話になった人へは直接会って挨拶をしたほうが良いでしょう。
取引先の担当者へもなるべく対面して挨拶をするのが理想的ですが、日程や距離などさまざまな理由から直接訪問するのが困難な場合は、メールや手紙で挨拶を行います。
退職挨拶で伝えるべき内容としては、以下のような項目があげられます。
【退職挨拶で伝えるべき内容】
- 退職日
- 退職理由
- 感謝の思い
- 先方や相手の人の繁栄・活躍を祈る言葉
退職理由は「一身上の都合」と伝えるのが一般的です。また、転職先についてはトラブルを避けるためにも言及しないほうが良いでしょう。
手順5.デスク回りを片付ける・備品を返却する
退職日当日や最終出社日には、次に使う人が気持ち良く利用できるように、自分が使っていたデスク回りやロッカーをきれいに片付けましょう。
その際、私物や書類の置き忘れがないよう合わせて確認してください。
また、会社からの貸与物などの備品も忘れずに返却しましょう。
【返却が必要な備品】
- 社員証
- 社章
- 名刺
- 健康保険証
- 通勤定期券
- スマホ・タブレット・パソコン
- オフィスの鍵やセキュリティカード
- 制服や作業着
- 社費で購入したもの
辞めないほうが良い状況や退職時期…仕事を辞めたい時のよくある質問
最後に、仕事を辞めたいと悩んでいる人が抱きやすい疑問を3つピックアップしてみました。それぞれに回答していくので、ぜひ参考にしてください。
質問1.仕事を辞めないほうが良いケースはある?
【回答】あります。代表的なのが、退職や転職の理由が「ライフステージの変化」の場合です。
例えば、出産や育児が理由で仕事を辞める場合、仕事に復帰するまでの数年間、ブランクが生じることになります。
退職時には「子育てが一段落したら元のように正社員でバリバリ働きたい」「出産後は前の職場と同様の条件下で働ける職場に就職したい」といった希望があるかもしれません。
しかし、そうした希望が後々必ず叶う保証はありません。
出産や育児を経た後に、「仕事と家庭の両立を考えたらフルタイムでは働けない」「以前と同じ職種を希望しているが、募集要項から外れてしまい応募すらできない」など、壁にぶつかってしまうことも考えられるでしょう。
また、仕事を辞めれば収入源も失います。
後になって「会社を辞めずに育児休暇を取得すれば良かった」「リモートワークやフレックスなどの制度を利用すれば辞めずに済んだのでは」と後悔する可能性もあります。
ライフステージが変わるときには目先の変化だけを考えずに、以下のように、将来を想定したうえで慎重に判断するようしましょう。
【対処法】
- キャリアを再スタートする際にやりたい仕事や就きたい職種について情報収集をする
- ブランク明けでも就職に有利になるスキルや資格の勉強をする
質問2.会社を辞めるのに避けたほうが時期はある?
【回答】なるべく周囲に迷惑をかけずに辞めたいなら、会社の繁忙期や大きなプロジェクトの最中などは避けたほうが良いでしょう。
法律上では2週間前の申告を守れば問題はありません。
しかし、会社が忙しい時期に退職を申し出ると、強く引き止められたり業務が忙しくて引き継ぎが不十分になったりする可能性があります。
「年度末」「会社の閑散期」などに退職時期を合わせると、退職の交渉もスムーズに進みやすいでしょう。
質問3.転職活動を在職中・退職後にするメリット・デメリットは?
【回答】いかに、在職中に転職活動する場合と退職後に転職活動する場合のメリット・デメリットをまとめました。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
在職中に転職活動する場合 | ・収入が途絶える心配がない ・ブランクがないことで採用担当者に良い印象を与えやすい |
・転職活動に割ける時間に限りがある ・面接などスケジュール調整が難しい ・今の職場にバレないように注意する必要がある |
退職後に転職活動する場合 | ・転職活動に専念できる ・スケジュールの調整がしやすい |
・収入が無く金銭面で困窮する可能性がある ・転職活動が長引いた場合、焦って就職先を決めてしまう恐れがある ・ブランクが空くと採用担当者にマイナスイメージを抱かれやすい |
このように、大きな違いは「時間の使い方」と「金銭面」です。
転職活動を在職中に行うか、退職後にするか、自分自身が置かれている状況を冷静に見極めたうえで決断しましょう。
仕事を辞めたいと感じた時は自分自身の本音と向き合うチャンス!
仕事を辞めたいと思う原因は人それぞれです。他の人が難なくしている仕事が、自分にとっては大きなストレスとなってしまうということも少なくありません。
だからこそ、辞めたいと感じたときに大切なことは自分自身を見つめ直して状況を整理することです。落ち着いて考えることで見えてくる解決策もあるでしょう。
また、自分自身のストレス状態を知ることも心身の健康を維持するためには重要です。ストレスサインをチェックしたり仕事を辞めたいと悩む人向けの診断を受けたりと、ネット上のツールを利用してみるのもひとつの方法です。
自分での判断が難しいときは無理をせず、周囲の人の力を借りましょう。
焦って行動して後悔しないよう、自分自身の本音と向き合いながら最適な答えを見つけてみてください。